和紙ジャパン・ホーム
手漉き和紙のつくり方
和紙を漉いてみよう

【手漉き ・ てすきとは】
手漉きの方法には「流しずき」「溜めずき」の2種類があります
手漉きとは、「機械すき」に対する言葉で字のとおり人力による作業で、まさにハンドメイドです
現在は生産効率を上げるため80%以上が「機械すき和紙」となっています

【流し漉き・ ながしずき とは】
「簀桁・すげた・スクリーン」で和紙の紙料液をすくい、縦横に動かし繊維を絡みあわせる漉き方です

【溜め漉き・ ためずき とは】
和紙の紙料液を簀桁(すげた)の上に溜め、水分が下に落ちるのを待って紙層を作る漉き方です


【和紙の伝統的技法とは】
国産の原料(楮、三椏、雁皮など)を使い、石灰などで煮て、水や雪などで晒し(さらし)ます
よくたたいて、塵(ちり)を取り自然の粘剤(トロロアオイ、ノリウツギなど)を入れて漉きます
最後に、板干しで天日乾燥した技法をいいます
      

【準備するもの】

簀桁(すげた)
容器(漉き舟)
粘剤
和紙の原料(楮など)


【 作業の流れ 】

@ 和紙の原料を洗う

布製の袋に和紙原料の例えば、楮の繊維を入れ、流水しながら小振りに洗います

楮の原料 画像


A 簀桁(すげた)の準備をする

用意する容器(漉き舟の役割をします)は立方体のほうが漉きやすいです

を流水しながら汚れや不純物を取り除きます

簀桁を水の入った容器の中にしばらく漬けておきます

適度に簀桁が湿っている状態で漉きます



「簀桁」と「漉き舟」の画像


B 漉き舟に和紙原料を入れ、ねりと混合、攪拌(かくはん)する

容器に新鮮な水を入れます

新鮮な水の入った容器に楮の繊維を適量入れます

ねりを適量加えて、紙料液をつくります

紙料液の中で楮の繊維をほぐし、手のひらを水平に振りよく攪拌します

※ねりは長くてからまりやすい繊維を分散させる目的で加えます
ねりを入れて水切りを遅くし繊維を均一に広げ、繊維同士が絡み合い強い紙をつくります

ねりを多く加えると、簀からの落水は遅くなります


C簀桁で紙を漉く

 C-1 方法1 「 流し漉き 」

和紙は楮の繊維を水の中に浮かせて漉すきます

このとき簀桁の上桁と下桁はしっかり合わせ、簀桁は両手で持ちます

簀桁の紙料液が網目状の簀を通り容器に落水します

紙料液である、楮、ねり、水の入った容器に、水面に対し90度の角度で簀桁を入れ、奥から手前にすくいます
これは初水に相当する作業で、紙料液を少し水平にすくいあげ、簀全体に勢いよく流します

水をすくったら簀桁を常に水平に保ちながら、前後、左右に簀桁を動かします
これは調子と呼ばれるもので、和紙の厚みを調整したり、繊維を均一に整えたりする作業です

調子はリズミカルに水の音を楽しみ、音楽を奏でるように行います(体の上体だけでなく、腰を使い体全体で漉くのがポイントだそうです)

簀桁の紙料液は、時間と共に落水しますが、落水しきる前に簀桁の紙料液を手前から奥に簀桁を動かし手際よく紙料液を捨てます
これは捨水に相当する作業です

この3つの作業  初水→調子→捨水 を繰り返します
厚い和紙をつくりたい場合はこの作業を多く繰り返し、薄い和紙をつくりたい場合は回数を少なくします

前後、左右の動きにより、簀の上に楮の繊維同士が複雑に絡み合い、より強い和紙となります。
簀桁に衝撃を与えたり、紙料液をすくう時の水圧で和紙に皺(しわ)が寄る事があります
この皺も面白い仕上がりとなることもありますが、この場合、紙料液に戻します
簀から楮を完全に除去し初水から始めます

紙料液の繊維が底に沈殿しないよう、定期的によく攪拌させます


 C-2 方法2 「 溜め漉き 」

初水をします
  
簀桁を水平に保持し、簀桁の紙料液を最後まで落水さます

和紙の厚さは、落水させる回数で決まり、1回〜複数回繰り返します


D和紙の水分除去=圧搾(プレス)

漉き上がった湿紙は簀桁を傾け、水分を切ります
簀桁から水分が垂れなくなるまで置きます

次に、上から押してできるだけ水をしぼり出す作業をします

まず、平面上の作業台(キッチンボード、机なと゛)に、平らに重ね折した手ぬぐいを一枚しきます

簀桁からをはずします

簀を作業台の板上の手ぬぐいに伏せます

用意した手ぬぐい上に湿紙を下面でを上面で置きます

の上面から新たにもう一枚用意した手ぬぐいで押し、湿紙の下面と上面の手ぬぐいで水分を均一に除去すします
この時、自身の体重をかけます

最後にから湿紙を丁寧に取り外します

湿紙を平板に貼ります

※プレスをする事によって和紙に強さと締りがでます。

に湿紙が張りついてきれいに取れない場合は、化学粘剤の失活が考えられます。また新たな化学粘剤に交換することで解決する場合があります。


E和紙の乾燥

湿紙の貼られた平板を天日乾燥や自然乾燥させたり、あるいは、熱板の上で乾かしたりして和紙ができあがります。

完全に乾燥して完成となります。


※ご注意 ここで使用している化学粘剤・アクリパーズは各ご家庭の排水口に直接流さないことをお勧めいたします
経年的に配管が詰まる恐れがあります。ストッキングなどメッシュの細かいフィルターを通して排水することをお勧めいたします




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