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和紙 粘剤について |
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天然粘剤について |
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【粘剤とは】
一般的には粘剤はが用いられます
これはトロトロした粘性の高い液です
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トロロアオイ
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粘剤としては一般的に「トロロアオイ」の粘液が用いられます
これはアオイ科の植物「トロロアオイの根」から採取したもので、炭水化物で強い粘性をもちながら接着性は弱いという性質があります
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トロロアオイの粘液 |
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その他の天然の粘剤として、「ノリウツギの樹皮」「アオギリの根」「スイセン」「ギンバイソウ」「ヒガンバナ」「ビナンカズラ」「イヌグス」などが知られています
【粘剤の働きとは】
粘剤を用いることにより、繊維が水中できれいに分散され浮遊して舞い上がります
繊維を十分に絡み合わせる漉き方である「流し漉き」では、初水・調子・捨水の3段階あります
調子で簀桁(すげた)を前後・左右に動かし、繊維を絡め合わせます
粘剤は水中で沈みやすい和紙原料(楮などの繊維)を均一に分散させ、簀桁から水の落ちる時間を長引かせます
そして、簀桁を揺することにより繊維が十分に絡み合い、丈夫な和紙を作ります
【その他】
和紙の原料が雁皮の場合は、雁皮自体の粘度が高いため、「トロロアオイ」を粘剤としては、あまり使われません
「トロロアオイ」よりも粘度の低い「ノリウツギ」が粘剤として選ばれるようです
天然粘剤は環境に敏感で、温度やバクテリアに弱く、保存・管理が大変となります
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【粘剤の歴史】 |
粘剤として「トロロアオイ」を使用した「流し漉き」は、日本で生まれた独自の技術であり、奈良時代から始まったと考えられています
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化学粘剤について
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石油を原料とした化学粘剤としてアクリパーズやポリアクリルアミドなどがあります
ご家庭で手漉き和紙をつくる場合、粘剤として粉末状態で保存などの管理が比較的簡単な化学粘剤・アクリパーズを使用する事が一般的であり、お勧めいたします
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化学粘剤・アクリパーズの使い方
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@ 「新鮮な水、2リットル」に対し 「アクリパーズの粉末、ティ−スプーンにすり切り1/3杯程度」を加えます
A 棒状のようなもので、粉末が水に溶け込むまでよくかき混ぜます
B一昼夜おいた後、粘剤としてご使用になれます。適度な時間経過ととももに粘度が上がり、ドロッとした状態になります
C 保存は冷蔵した環境(冷蔵庫内など)で若干の延命できます
しかし、液状にした(水が含まれた)アクリパーズは水が腐敗し、粘剤としての機能が低下いたします
そのため液状での1週間以上の保存は避けた方が良いようです
化学粘剤の入手が困難な場合は、手軽な方法として食材売場で目にする「オクラ」で代用ができます
ただし、「オクラ」の緑色の色素が残るため、緑色の和紙となります
実際に試してみることをお勧めします
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